快適な空間作りこそ、知的生産性を高めるための最重要なオフィス“環境問題”といえる。その問題に取り組む担当者が意外に悩むのがオフィスの顔である<受付>作り。来客の多い会社では優先順位の高い課題に違いない。セキュリティやカラーイメージなど最新トレンドの話題を交え、“訪れて快適”な受付作りの大切なポイントを達人にお伺いした。
 お客様が訪れて快適な受付の“快適”にはいくつもの要素がある、と語るのはオフィスのファシリティサプライヤー、イナバインターナショナル株式会社ワークプレイス事業本部デザイナー山田茂氏。オフィス作りのプロフェッショナルだ。「迷わず目的部署にアクセスできる快適、待ち時間が少ないことの快適、待っている空間の快適、応接への動線の快適など、多面的な配慮が必要です」。それぞれの要素が1つに融合して快適な受付が生まれる。では具体的にそれを実現するにはどうしたらいいのだろう。「受付作りのポイントは5つに絞られます。この5つをきっちり検討しカタチにしていけば、会社の個性がうまく表現された感じの良い受付が出来ます」。プランの初期段階で会社のニーズをデザイナーにしっかり伝えることも重要だ。
 業種や来客数の多寡、さらに運用コストの多少などにより、受付の有人化、無人化は決められる。最近はコスト削減で無人タイプが増えてきた。しかし来客が急に増える、例えば展示会や研修会などのイベント時にはどうしても有人受付が必要になる。「そういうニーズのあるお客様には、折衷型受付をお奨めしています」(山田氏)。折衷型とは、普段は無人で、イベント時に側面スイングドアを開きBOX型の有人受付に変身できるユーティリティな両用タイプ。コストパフォーマンスのいい受付として採用企業が増えているという。(写真右)スイングドアを開いて有人受付にしたところ。2人収容できる。
▲電話台型無人受付。左はスタンド型、右はシンプルな低コスト型。 ▲スイングドアを開くと内側には棚が設置されている。 ▲無人受付時。壁際にピタッと納まり、花を飾るスペースもある。
 受付にもトレンドがある。「デザイン的には、ライトな明るめの色・スタイルが最近の傾向ですね」(山田氏)。素材も白っぽくて軽快な印象のものが好まれる。
 機能面ではセキュリティへのニーズが益々高まっています。ただし「運用コストは極力抑えたい」というお客様が多い。「コストダウンの方法として、ダミーのカメラをお奨めすることもあります。これでも効果は十分」。内線電話だけでなく、タッチパネルを併用する無人受付システムもコスト面で人気が高い。
▲防犯監視カメラ(固定式)。連動のテレビモニターで確認してから入口のロックを解除。ダミーカメラはコスト対策。心理的に抑制する目的には効果が高い。
▲訪問者が操作しやすいタッチパネル方式。無人受付システムの主流になってきた。 ▲会社のイメージに合わせた無人受付システムの製作も可能だ。
 オフィスを移転する場合、机・書類の移送や引越しの段取りに気を取られて、受付は直前まで後回しにされることが多いらしい。「どこに移っても受付は必ず必要。早めにご相談いただければ、コスト内でベストなアイデアをご提案できます」と山田さん。ビジネスでは第一印象が大事。だとすれば、訪問客がオフィスで第一に出会う受付作りこそ優先すべきテーマかもしれない。
※掲載の写真は全てイナバインターナショナル株式会社の施工実績。

イナバインターナショナル株式会社
ワークプレイス事業本部
スペースデザイン部係長
山田茂氏
ご提案では“トータルバランス”を
大切にしています。
「受付作りのポイントは、造作家具、床・壁・天井の内装、サインシステム、この3点をデザイン的に美しく調和させることにあります。もちろん受付が空間として単独に存在するわけではないので、受付からの動線、会議室、オフィスとのトータルバランスも重要です。当社の豊富な事例集もお役に立てると思います」(談)。
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