物流は経済活動の血管だ。その血管は、コンビニの24時間営業が象徴する経済活動の24時間化によってますます枝分かれしてきている。いわば毛細血管が発達し、商品やサービスを一層きめ細やかに人間生活へ送り届けるようになってきている。昼から夜、深夜までその血管は伸び、さらに物を届けるだけにとどまらないまったく新しい物流サービスが登場してきた。進化した新しい物流スタイルは、企業にとって顧客満足度を向上させる有力な手段になるとともに、社内外の物流コストを削減する切り札になるかもしれない。
 一般企業において物流の発注管理は担当部署ごとに行われることが多い。企業によってはいわゆる指定業者に一括発注しているケースも見られるが、書類の配送などの細かな仕事は部署ごとバラバラに発注されたりしてなかなか管理しにくい。こうした経費は積もり積もって意外なコスト高を招いたりする。ファシリティマネージャーとしては見逃せない事態だ。物流は経済活動における血管だからB to BだけでなくB to Cの領域まで隈なく行きわたっている。通常の場合は、自社−仕入れ企業間、自社−顧客企業間という2つの物流ゾーンが存在する(図参照)。例えば、仕入れ企業との間では商品納入時間のペースをより細かくするなどの流通ニーズが発生したり、顧客企業との間ではCS(顧客満足)向上の観点からより付加価値の高い物流サービスが必要になってくることもあるだろう。製品を届けるだけでなく、届けた製品をその場で設置したり組み立てるサービスがその一例だ。またB to C、つまり自社−エンドユーザーの間でも同じように時間面、サービスの質的な面で細やかな物流対応が必要になってきている。都市部を中心に生活が24時間化し、独身者の多くは夜9時以降の帰宅が圧倒的だという。従来の夜9時を限度とした配送便では都市型ライフスタイルに明らかに対応しきれなくなってきているのだ。B to B、B to Cの全領域にわたり三位一体で物流を見直すことの目的は、コスト削減の一方でCS向上を図ることでもある。流通の質がそのままサービスの質に直結する時代になってきているといえるだろう。
物流見直しの必要性は多岐にわたっている。
 
 経済のグローバル化、ネットワーク社会の発展で世界の都市活動は24時間化が進んでいる。人々の生活もそれに合わせて変化し、物流のスタイルもそれに呼応して変わってきている。宅配を例にとれば、ただ運ぶだけの時代から、午前・午後の指定、さらに細かな時間指定が可能となり、生鮮食品や冷凍物の配送、デリバリー時間の短縮化などが図られてきた。都市活動や市民生活の24時間化で物流業者はさらにきめ細かな対応を迫られているが、図体の大きさ、労務管理の難しさなどで柔軟な変身をしきれないでいるというのが現状だ。その間隙を縫って、新サービスを提供する物流業者が登場している。夜9時から深夜3時までの深夜宅配、さらに24時間宅配も登場してきた。こうした時間帯サービスだけでなく、届けた先でパソコンを設置・インストールしたり、消火器、ユニットバスを設置したりする配送プラスαの複合業務をこなすマルチプレーヤー型物流業者も登場している。こうした複数の業務を一括発注することで経費が削減されたり、顧客サービスの向上が確実に図れるはずで、自社の物流体制を見直す際には必ず視野に入れておきたい画期的な物流サービスといえるだろう。
 ITシステムの優劣が企業の死命を決するとはよく言われることだが、物流システムも具体的な物(商品や資材)を運び、消費者と直結する分野として、企業にとってはITに優るとも劣らない大切な領域に違いない。物流には国内だけでも、B to B間の資材・産品の物流、B to C間の商品物流などがあり、広くとらえれば企業移転などの引越しニーズ、企業間の書類・サンプル配送などのスポットニーズ、企業本支店をつなぐ定期配送ニーズなども物流の範囲に入るだろう。物流業者は大手、中小、赤帽まで多種多様だが、今後は各々の得手不得手、サービス領域をよく吟味し、CS向上の視点で選ぶことが肝要になる。都市活動の24時間化、それにともなう市民生活の変化をとらえ、柔軟なサービスを提供する物流業者とのパートナーシップが企業にとってますます重要になってきている。
 物流業界の常識を覆す新たなサービスを次々と展開し急成長をつづけているグランティオ。午後9時から翌午前3時までの時間帯に宅配するという夜間便につづき、昨年10月からは画期的な24時間宅配サービスをスタートさせ話題を呼んでいる。大手が激烈に競り合い、中小も価格競争に苦しむ運送業界の中で、なぜ同社だけが躍進をつづけられるのか。創業者の横山寛社長(35歳)にその秘密とさらに新しいサービスへの展望をお伺いした。

――昨年後半からスタートした24時間宅配サービスの反応はいかがですか。
 爆発的に伸びています。実は24時間宅配を始める布石として午後9時〜午前3時の夜間便を先行してスタートしていたのですが、始めて3ヶ月ほどはあまり動きがありませんでした。
しかし夕方6時に受け取るとその夜のうちに届けられること等の情報がお客様に浸透して、24時間を始めてからは日に日に注文が増えている状態です。

――受け取るお客様が深夜宅配に対し不安を感じないようにする工夫も好評のようですね。
 荷物を受け取るお客様の携帯電話にあらかじめ配達するドライバーの顔写真や配達時間をメールでお知らせして不安を解消しています。このサービスが可能な背景には当社が開発したGPS動態管理システムがあります。これはカーナビゲーションのシステムを応用したもので、ドライバーの現在地、届け先へのルート等いくつかのデータをインプットすることで、配送予定時間が事前にわかるというものです。その情報は本部も各ドライバーも共有しており、何か変更がある場合は随時お客様にもお知らせすることができるようになっています。

――夜間便、24時間宅配、さらに届けた商品をその場で設置する設置便など次々と新機軸が生まれ話題となっていますが、その秘密、原点は何ですか。
 私は高校時代バイトで家電の配送をした経験があります。その時配達した商品をその場で設置・配線したりすると、とても喜ばれ余計にお金をもらったり、私を指名するお客様が増えました。その後、物流業界に入り、高校時代の原体験を徐々に発展させて当社独自のコンセプトである「付加価値配送」に辿り着いたのです。お客様の視点に立てば、物流、宅配業界のサービスはまだまだ付加価値を加える余地はあると思います。また運送業ではなく、我々はサービス業に携わっているという意識も重要だと考えています。大手には真似のできないニッチ領域を開拓して、さらにオリジナリティのあるサービスにチャレンジしていきたいですね。


――企業の物流担当者、ファシリティマネージャーに対してメッセージをどうぞ。
 当社のサービスをぜひご利用いただきたいのはもちろんですが、いままでは無理だと考えていた物流業者に対する希望をお聞かせいただきたいですね。都市生活の24時間化で消費者の生活サイクルや意識は確実に変化しています。そのことに対応した付加価値の高い物流サービスをご一緒に開拓していきたいと思います。さらに事業プロセスの見直しやアウトソーシングの観点から物流プラスαのニーズがあれば、それにも積極的に対応していきた。当社にはそういった新規ニーズに応えられる異業種出身ドライバーが豊富に揃っているのです。
「株式会社グランティオ」PROFILE
“付加価値配送”をテーマに次々と新機軸、新サービスを展開する物流業界の新星。将来はアジア市場への進出も視野に入れている。
●設立:平成14年11月(事業開始年度:平成12年2月)
●資本金:1億2,570万円(内資本準備金5,175万円/平成15年11月現在)
●事業概要:運送事業、営業倉庫、流通加工、発送代行、 物流コンサルタント等
●事業所:三郷物流センター(埼玉県)、品川物流センター(東京都)、大阪連絡事務所(大阪府)
●本社:東京都墨田区両国2-13-8西沢ビル6F/7F
TEL03-5638-1122(代表) 
PCから http://www.grantio.co.jp/
iモードから http://www.grantio.com/i/
株式会社グランティオ
代表取締役 横山寛
1968年2月23日生まれ、埼玉県出身。私立埼玉第一高等学校(現 開智高等学校)卒業。
運送会社を友人と設立。平成8年に独立し有限会社グランティオを設立。平成15年5月1日株式会社グランティオと合併、現在に至る。
社名の「グランティオ」は横山が命名した造語であるが、「Grand(大きい)」にtio(造語)をつけたもの。大きく響く、上には上がある、現状に満足せず上を目指せ、と大きくなっていくイメージ。100年後の「グランティオ」をいつも頭の中で考えている。ビジネスは「アイデア」と「人」。人と人との関係(顧客でも従業員でも)は大切にしたいと心がけている。